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歯周病は歯を失う一番の原因?!

2019年6月17日(月)

歯周病とは、お口の中の歯垢(プラーク)などの汚れに潜む歯周病菌に感染することで起こる細菌感染症です。歯ぐきが赤く腫れたり、歯槽骨(歯を支える骨)が溶けますが、初期にはほとんど自覚症状がありません。しかし、このまま放置すると歯周組織が破壊されて歯を失うことに繋がります。

 

<全身の健康にも悪影響を及ぼす歯周病>

現在、歯周病は歯を失う一番の原因とされていて、日本人の成人の80%以上が歯周病にかかっていると言われています。歯周病はお口だけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがわかっています。糖尿病、高血圧、心臓血管系・呼吸器系疾患などのさまざまな全身疾患と関連するほか、妊婦さんの場合は早産・低体重児出産のリスクが高まる、さらには妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群に関連することが報告されています。

全身の健康を守るため、そして健康寿命の延伸のためにも定期メインテナンスを受けてしっかりと歯周病を予防するようにしましょう。

 

<歯周病の主な症状>

歯ぐきが赤く腫れている

歯ぐきから出血する

歯ぐきから膿が出る

歯が長くなったような気がする(歯ぐきが下がった)

歯がグラグラする

歯が浮いている感じがする

歯に食べ物がよく詰まる

口の中が粘つく

冷たいもの・熱いものがしみる

口臭がする など

 

<歯周病の進行>

歯肉炎

歯垢(プラーク)や歯石が溜まって、歯ぐきが赤く腫れた状態です。歯ぐきが出血しやすくなっていますが、痛みやしみるなどの自覚症状はほとんどありません。

 

軽度

歯ぐきの腫れが大きくなり、歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目)が深くなり始めた状態で、歯槽骨も徐々に破壊され始めます。この段階でも痛みやしみるなどの自覚症状はありませんが、歯ぐきが赤く腫れてブヨブヨになります。

 

中等度

歯ぐきの腫れ、歯周ポケットの深化、歯槽骨の破壊がさらに進行した状態です。歯がグラグラと動き始め、歯ぐきの出血、口臭などの症状が現れます。

 

重度

歯周ポケットがさらに深くなり、歯槽骨も半分以上溶けて歯を支えるのが難しくなった状態です。歯の根元が露出して、歯のぐらつきがひどくなります。最悪の場合、歯が抜け落ちてしまう場合があります。

 

<歯周病治療の流れ>

①歯周病検査

歯周病のリスク状態を把握するために、歯周病検査(精密なレントゲン写真、歯周組織検査、口腔内検査など)で現状を調べさせていただきます。この資料をもとに歯科医師が診断し、歯科衛生士が治療計画をもとに歯周病の治療を行っていきます。

② ブラッシング指導

患者さんご自身によるブラッシングによって歯垢(プラーク)を除去する、「プラークコントロール」が非常に重要です。お口の中の状態を確認した上で、磨き残しがある部分や、磨き方の癖などを指摘して、その方に合ったブラッシング方法を指導します。

③ スケーリング・ルートプレーニング(SPR)

スケーリングとは、「スケーラー」という専用器具を使って歯石をきれいに取り除く治療です。歯の表面に付いた歯垢(プラーク)は、時間が経過すると石灰化して歯石となります。歯石はブラッシングなどの患者さんがご自宅で行うセルフケアでは除去できませんので、歯科医院で取り除いてもらう必要があります。ルートプレーニングとは、スケーリングにより歯ぐきの上と下の歯石をきれいに除去した後、再付着を防ぐために歯の表面を滑らかに整える治療です。

④ フラップオペ

すでに歯周病が進行していて、スケーリング・ルートプレーニングだけでは症状が改善しない場合があります。そのような場合は、歯ぐきを部分的に切開し、歯周ポケット内の汚れをきれいに除去します。

 

このように歯周病治療においては、ご自宅で行うブラッシングなどのセルフケアと、歯科医院で行う歯石除去などのプロフェッショナルケアが何よりも重要となります。歯周病で悩む患者さんが後を絶たない理由として、患者さんがセルフケア・プロフェッショナルケアに結びついていないからだと考えています。

私たちは、患者さんとセルフケア・プロフェッショナルケアを繋げる、そして大切な歯を守るお手伝いをさせていただきます。

どうぞお気軽にご相談ください。

むし歯(虫歯)の原因をご存知ですか?

2019年6月17日(月)

むし歯は、原因となる細菌(ミュータンス菌など)が食べ物などの糖分を分解する時に生成する酸により歯の表面が溶けることで起こります。

 

<むし歯の原因は大きく3つ>

「お菓子を食べ過ぎたからむし歯になった」とお考えになる方もおられますが、これはむし歯の原因の1つに過ぎません。むし歯の原因は「歯質」「糖分(食べ物)」「細菌」の3つで、これらがすべて重なるとむし歯になりやすいとされています。また、むし歯になりやすい状態が長く続くという「時間の経過」が加わることで、さらにむし歯のリスクが高まります。

 

<むし歯の主な症状>

歯が痛い

冷たいもの・熱いものがしみる

ものを噛むと痛い

歯ぐきが腫れている

歯の表面が黒ずんでいる

口臭がする など

 

<むし歯の進行>

CO(シーオー)

むし歯の原因菌の酸によって歯の表面が溶けた状態です。歯の表面が濁った白色や薄い茶色になります。この段階ならフッ素塗布などにより改善できます。

 

C1

歯の表面に小さな穴や黒ずみなどができます。痛みはほとんどありませんが、歯を削るなどの治療が必要になります。

 

C2

むし歯が進行してエナメル質の下にある象牙質にまで及んだ状態です。冷たいものがしみるなどの症状が現れるようになります。

 

C3

 

むし歯がさらに進行して、歯髄(歯の神経)にまで及んだ状態です。歯髄で炎症が起こるためズキズキする激しい痛みなどの症状が現れます。

 

C4

むし歯によって歯がほとんど溶けてしまった状態です。神経が死んでしまい、一時的に痛みを感じなくなることもあります。また歯の根(神経)の先に細菌と膿が溜まることもあり、噛むと違和感や痛みを感じるようになります。

 

このように、初期のむし歯にはほとんど自覚症状がありません。歯に痛みを感じた時には、すでにむし歯が進行してしまっている可能性があるということです。そのまま放置すると歯を失うことに繋がりますので、できるだけお早めにご相談ください。

 

周術期等口腔機能管理ってなに?

2019年4月24日(水)

今回は、周術期等口腔機能管理(しゅうじゅつきとうこうくうきのうかんり)についてのお話です。

 

周術期(しゅうじゅつき)とは、手術前•手術中•手術後という意味です。対象となる患者さんは、全身麻酔下での手術*を受ける方、がん治療(手術、化学療法、放射線療法)、緩和ケア、骨髄移植を受ける方です(*全身麻酔を受けられるすべての方が対象となるわけではありません)。周術期口腔機能管理というネーミングの中に、「等(など)」が含まれているのは、周術期(手術関連)以外の患者さんでも対象になるからですね。これらの治療を受けられる方は、お口に関するトラブルが起こりやすいため、トラブルが起きないように事前に歯科が介入することが望ましいのです。どんな治療を受けるかによって、お口のトラブルは異なります。治療を担当する主治医の依頼を歯科が受けて、患者さんの同意が得られたら、口腔機能管理の介入がスタートします。

歯科のみならず、主治医、麻酔科医、看護師、薬剤師、管理栄養士など他職種が周術期チームを結成して、患者さんの治療をサポートしている病院もあります。岡山大学病院:PERIO(周術期管理チーム)、川崎医科大学附属病院:周術期外来、倉敷中央病院:PMT(周術期管理チーム)、倉敷リバーサイド病院:周術期管理外来(ペリオ外来)など。特に、手術中などの入院中のお口トラブルは病院内の歯科が対応することが多いのですが、病院内に歯科がない場合や入院前•退院後などはかかりつけ歯科医院が周術期等口腔機能管理を行います。主に行う内容は、お口のチェック、感染源の除去(むし歯や歯周病などの治療、必要に応じて抜歯)、必要に応じてマウスガードの製作などです。お口のトラブルについては次回のブログにてお話しますね。

 

非常にわかりにくい文章になってしまったかもしれません(泣)。対象になる方がいらっしゃれば、なるべく早めにかかりつけ歯科医院にご相談されて、万全の体勢で治療にお臨みになられることを願います。そして治療の成功を心よりお祈り申し上げます。

はすのは歯科でも積極的に周術期等口腔機能管理に取り組んでいきたいと思います!!

 

リラックス歯科治療

2019年4月8日(月)

リラックス歯科治療とは、静脈内鎮静法を併用した歯科治療です。

静脈内鎮静法とは、鎮静剤(ウトウトなるお薬)を点滴から注入してリラックスした状態を作り出す麻酔法です。全身麻酔とは異なり、気管内挿管(呼吸のチューブを気管に入れる)の必要はなく、呼吸を保ったまま行いますので、全身麻酔より身体に優しい麻酔法と言えます。胃カメラ検査の時に眠って行う方法と同じですが、眠りの深さは異なります。なぜなら、歯科治療を行うためには、完全にお口を閉じてしまうほど深く眠ってしまうと、治療が行いにくくなったり、お水を使う時にムセることがあるからです。よって、施術中は歯科麻酔科医が患者さんの呼吸の状態や治療内容に応じて、眠りの深さを調整していきます。

鎮静剤の効果で治療中のことを覚えていない方も多くいらっしゃいます(健忘効果)ので、普通の状態よりは楽に治療を受けていただくことができます。

<手順>

① モニター装着:血圧計マンシェットを巻いたり心電図のシールを貼ります

② 点滴の確保:細い針を使用します

③ 鎮静剤の注入:点滴から鎮静剤が身体に入っていきます

④ 治療開始:ウトウトしてきたところで治療を開始します

⑤ 治療中:麻酔科医がモニターを監視します

⑥ 治療終了:鎮静剤の注入を中止します

⑦ 治療終了後:しばらく休んでいただいてふらつきがなくなってから帰宅いただきます

 

<注意していただくこと>

施術前に問診が必要です。お身体の状態によっては施術不可能な場合がございます。しっかりお話を聞かせていただき判断させていただきます。

絶飲食が必要です。絶食:施術6時間前まで 絶飲:2時間前まで(水、お茶、スポーツ飲料水など)

施術後は車の運転や集中力を必要とする作業はできませんので、ご予定を調整いただく必要があります。

 

リラックス歯科治療にご興味のある方はお気軽におたずねくださいね。

 

 

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